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Kalraの怪談

第34章 三十四夜目:現代風の呪い

☆☆☆
Aさんは警視庁の捜一(捜査第一課)を最後に退職した警察官だった。警察人生の殆どを刑事として過ごし、捜一に何度も配属され、様々な犯罪の捜査に関わってきた。特に警部に昇進し、警察人生最後となった捜一で経験した事件は不思議なものが多かったという。

捜一では通常、警部が班長として一つのチームを率いる。Aさんも班長としてチームを率いていたのだが、このAさんのチーム、手掛けることになった事件には不思議な因縁が多く、同僚からは冗談交じりに「警視庁捜査第一課呪殺班」だとか「呪い班」だなどと言われていたそうだ。
これは、そんなAさんから聞いた事件の一つだった。守秘義務があるということで、細かい名称などは教えてもらっていない。また、被疑者の詳細な供述の内容なども教えてもらっていない。
ただ、当時報道発表された事実よりは突っ込んだことを話してくれた。

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