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Kalraの怪談

第4章 四夜目:ドライブレコーダー

おかしい・・・

道の先は暗いは暗いのだが、ヤブがある。ヘッドライトでヤブが照らされている。視えないはずがない。
誤って落ちたとしても、ハンドルを切るなり、ブレーキを踏むなりしても良いのに、全くその気配がない。

もう一度見る。やはり同じだった。
ふと、気になって、今度はスロー再生にしてみた。ヤブに突っ込む瞬間、白い影がよぎる。
そこで更に遅くする。

「あ・・・」

Aの手が一瞬止まる。
そしてカタカタと震え出した。

そこには、画面いっぱいに目が黒く落ち窪んだ女性が笑っている顔が映し出されていた。

まるで、彼らが死ぬのを喜ぶかのように。

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