
Kalraの怪談
第45章 四十五夜目🌕️:精神病院にて
娘がRさんの異変に気づいたのはここ1〜2週間だという。たまたま夫の仕事の関係で缶詰を大量にもらったことから、おすそ分けに実家に持っていこうとしたことがきっかけだった。
電話すると、
「今は来ちゃだめ」
とRさんが声をひそめるように言う。
「アレがいるから・・・」
アレってなに?と聞くと、
「わからない。でも、とにかく来ちゃだめ」
と言う。機転を利かせた娘が、「いつなら行って良いのか?」と問うと
「偶にいなくなるから、その時なら・・・」
怯えるように言う様子にただならぬものを感じた娘は、大丈夫なようなら電話して、と言い、電話を切った。果たして、その数時間後、Rさんから「今なら良い」と電話が来たので、実家に向かった。
実家にはRさんしかいなかった。
「お父さんは?」
と聞くと、Rさんは黙って首を振る。
しばらく話してやっとわかったことは、Rさんが「夫が何か知らないモノと入れ替わってしまった」と信じていることだった。
父親に相談しようにも、父親は携帯を持っていないし、家に電話してもRさんが出て父親には取り次いでくれない。それはそうだ、Rさんにとってはすでにそれは『夫』ではないからだ。
何度か家を尋ねて行ったり、一度は家の前で待伏せして父親と会おうと思ったが、遂に会えずじまいで、結局、娘さん自身でRさんを病院につれていくことにした、ということだった。
娘が話している間、Rさんはオドオドと不安そうにしていた。
電話すると、
「今は来ちゃだめ」
とRさんが声をひそめるように言う。
「アレがいるから・・・」
アレってなに?と聞くと、
「わからない。でも、とにかく来ちゃだめ」
と言う。機転を利かせた娘が、「いつなら行って良いのか?」と問うと
「偶にいなくなるから、その時なら・・・」
怯えるように言う様子にただならぬものを感じた娘は、大丈夫なようなら電話して、と言い、電話を切った。果たして、その数時間後、Rさんから「今なら良い」と電話が来たので、実家に向かった。
実家にはRさんしかいなかった。
「お父さんは?」
と聞くと、Rさんは黙って首を振る。
しばらく話してやっとわかったことは、Rさんが「夫が何か知らないモノと入れ替わってしまった」と信じていることだった。
父親に相談しようにも、父親は携帯を持っていないし、家に電話してもRさんが出て父親には取り次いでくれない。それはそうだ、Rさんにとってはすでにそれは『夫』ではないからだ。
何度か家を尋ねて行ったり、一度は家の前で待伏せして父親と会おうと思ったが、遂に会えずじまいで、結局、娘さん自身でRさんを病院につれていくことにした、ということだった。
娘が話している間、Rさんはオドオドと不安そうにしていた。
