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Kalraの怪談

第48章 四十八夜目:サワギリさん

☆☆☆
 きっと、AはサワギリさんにR子のことを呪うように言ったに違いない、私達はピンときました。そのせいでR子は死んでしまった。だから、罪の意識を感じてAは学校に来られなくなってしまったんだと。
 でも、呪いなんて非現実的なことがあるわけはありません。S子のことも、R子のことも偶然に違いないのです。私とB、CはAを元気づけたいと思い、3人でお見舞いに行くことにしました。表向きはAは風邪をこじらせて休んでいる事になっていたからです。

 Aはベッドの上で体を起こし、私達を迎えてくれました。思ったより顔色が悪く、声も消え入りそうなくらい小さくなっていました。Aは気が弱いけど、正義感が強いところがあったので、万が一呪いが本当だったら、と自分を責め続けていた様子が一目瞭然でした。
 私達は呪いなんて本当にあるわけないし、仮にAがサワギリさんになにか言ったとしてもそれが原因ではないと力説しました。
 Aは激しく首を振りました。そして、ぽつりぽつりとこのようなことを話したのです。

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