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Kalraの怪談

第48章 四十八夜目:サワギリさん

☆☆☆
 最初の日、わたしは、私達の教室でサワギリさんに言ったの。
 ちょうど、Cの隣の席が教室の真ん中だったから、そこで。

 「サワギリさん、サワギリさん、S子が憎くはないですか」
 
 その時は特に何も起こらなかった。わたしはちょっとがっかりして、教室を後にしたの。ちょうど、昇降口に降りたとき、何かの用事で学校に残っていたB、Cと会ったよね?
 そう、あのときだったの。サワギリさんのお呪いを初めてしたのは。
 それで、次の日だったでしょう?S子が階段から落ちたの。
 わたし、びっくりしたけど、まだ、半信半疑だった。だって、別にただ、教室で独り言言ったのと変わりないじゃない?だから、そうね、やっぱり信じていなかった。

 それで、二回目はあの日。そう、R子が死ぬ前の日だった。
 R子からの嫌がらせが嫌で嫌で、それで、ふと、またお呪いをしてしまったの。
 前回と同じ席で、同じように

 「サワギリさん、サワギリさん、R子が憎くはないですか」

 今回も何も起こらない、そう思った矢先、確かに聞こえたの。

 フフ・・・

 笑い声だった。慌てて周りを見回したけど、誰もいない。
 慌てて廊下を見たけどやっぱりいない。
 もう一度教室を見たけど、やっぱり。
 でも、確かに聞こえたの。笑い声だった。

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