
Kalraの怪談
第49章 四十九夜目:鬼の宿
☆☆☆
後にA君が、Bさんに聞いたところによると、離れにいくと空(から)のお膳と、屏風が用意されていたというのだ。そして、A君が母親から聞いた『鬼の宿』の話を聞かされそうだ。
そして、話がひいひいおばあちゃんの死にざまに及ぶと、ひいおばあちゃんの様子が徐々におかしくなっていったという。肩を震わせ、涙を流し、
「あんときゃあ、母ちゃんはひどいありさまじゃった。犯され、はらわたをえぐられ、あちこちに獣の噛み跡のようなものが残っとった。ああ、鬼が来た、鬼が来た・・・・」
「でも、ああするほかなかったんじゃ。母さんが鬼に喰われなきゃ、家が潰れて、皆死んどった。母さんは父さんと儂らのために、喰われたんじゃあ。」
「嫁の務めだ。身代を守るのが嫁の務めじゃあ」
震えが更に酷くなってきた。唇の端からよだれを流しながら、なおも話し続けたという。
「Aも、うまくいっとりゃせん。このままじゃ〇〇家はつぶれちまう。儂が若けりゃよかったが、こんなんじゃ鬼様を迎えられん。迎え・・・」
ここで、ひいおばあちゃんはユックリと顔を上げた。
「ひい!」
Bさんは思わず悲鳴を上げた。その顔がとても有り得ないように、なんとも奇妙に歪んでいたからだった。右目だけが上転し、白目を向いている。頬がつり上がり、左の口だけが半ば開き、そこから覗く歯がまるで牙のように白く見えた。
そして、いつの間に取り出しのか、包丁を振り上げ、Bさんに襲い掛かってきたという。
腕を切られたところで、A君が来て、それで、助かった、と。
後にA君が、Bさんに聞いたところによると、離れにいくと空(から)のお膳と、屏風が用意されていたというのだ。そして、A君が母親から聞いた『鬼の宿』の話を聞かされそうだ。
そして、話がひいひいおばあちゃんの死にざまに及ぶと、ひいおばあちゃんの様子が徐々におかしくなっていったという。肩を震わせ、涙を流し、
「あんときゃあ、母ちゃんはひどいありさまじゃった。犯され、はらわたをえぐられ、あちこちに獣の噛み跡のようなものが残っとった。ああ、鬼が来た、鬼が来た・・・・」
「でも、ああするほかなかったんじゃ。母さんが鬼に喰われなきゃ、家が潰れて、皆死んどった。母さんは父さんと儂らのために、喰われたんじゃあ。」
「嫁の務めだ。身代を守るのが嫁の務めじゃあ」
震えが更に酷くなってきた。唇の端からよだれを流しながら、なおも話し続けたという。
「Aも、うまくいっとりゃせん。このままじゃ〇〇家はつぶれちまう。儂が若けりゃよかったが、こんなんじゃ鬼様を迎えられん。迎え・・・」
ここで、ひいおばあちゃんはユックリと顔を上げた。
「ひい!」
Bさんは思わず悲鳴を上げた。その顔がとても有り得ないように、なんとも奇妙に歪んでいたからだった。右目だけが上転し、白目を向いている。頬がつり上がり、左の口だけが半ば開き、そこから覗く歯がまるで牙のように白く見えた。
そして、いつの間に取り出しのか、包丁を振り上げ、Bさんに襲い掛かってきたという。
腕を切られたところで、A君が来て、それで、助かった、と。
