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Kalraの怪談

第52章 五十二夜目:かか切りの竹

☆☆☆
どんな話かわからないけど、最恐だという話だけが伝わっている『牛の首』みたいな話だ。

「ね?面白そうでしょ?その話自体を聞くんじゃなくて、その話にまつわるうわさを集めるっていう体にすれば一本記事かけると思うんだよね」

明日からT県に行ってくる、と楽しそうに言った。
気をつけてね…
なんとなく、私は嫌な予感がしたが、その時はそう言うしかなかった。

数日後、A子とビデオ通話する機会があった。
「今、T県に来ているんだけどさ、思いの外、うわさが広まっているんだよね。私がこの2日くらいで聞けただけでも数人が『友達の友達が、その話を聞いて死んだらしい』とか、『先輩が死んだ』って言っている。」
でも、肝心の話の内容が全くわからない、という。
「それで、今日、民俗資料館に行ってみたんだ。そういう伝承があるのか、あるとしたらいつからなのかを調べたくてね。そしたら、『女の人が聞いたら死ぬ話』の伝承はなかったんだけど、『切ったら女の人が死ぬ竹林』ならあったんだ」

なんだそれは?
私の頭に疑問符が浮かんだ、似ているようで全然違うじゃないか。

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