
Kalraの怪談
第59章 五十九夜目:花火
☆☆☆
話を聞いてもにわかに信じられなかった。
そんなことってあるのか?10年前に年上だった女性が、年下になって現れて、それと結婚した?
「そうなんだよ。最初は奇妙に思ったけど、別に普通に結婚もできたし、生活もしている。朝になると消えちゃうとかもない。だから、小さい頃の俺の記憶が間違っていたとか、単に似た人と勘違いしたってことで俺の中ではケリが付いてるんだけど…」
K太はウィスキーを煽る。
「それで、アイツと結婚して張りができたせいか、仕事もうまくいくようになって、それで今に至るわけよ。
6歳の時に、お姉さんと約束した『もしまた会ったら、一緒に過ごしてくださる?』っていう言葉はもしかしたら結婚してってことだったのかなとか、ちょっとファンタジーなこと考えちゃったりしてさ」
からからとK太は笑う。
「そんな奥さん、裏切っちゃダメだろ?」
僕が言うと、
「なーに真面目くさってんだよ。そういうわけで俺とあいつはヒトカタならぬ縁なワケよ。浮気のひとつふたつでどうにかなることはないんだよ」
こいつ、浮気を認めやがった・・・。
浮気は愚か、結婚すらしてない僕にとっては憎たらしいやら羨ましいやらである。
「そんなワケだ。すげーだろ?」
また豪快に笑う。
「それにしても、お前さ?お約束っていうか、フラグっつ―か、そういう話ってしねえ方が良いんじゃないの?ほら、雪女とか鶴女房みたいにさ」
へん、とK太は鼻で笑う。
「別に『この事を決して話してはいけませんよ』とか言われてね―し」
その日は、こんな感じの話をした。
話を聞いてもにわかに信じられなかった。
そんなことってあるのか?10年前に年上だった女性が、年下になって現れて、それと結婚した?
「そうなんだよ。最初は奇妙に思ったけど、別に普通に結婚もできたし、生活もしている。朝になると消えちゃうとかもない。だから、小さい頃の俺の記憶が間違っていたとか、単に似た人と勘違いしたってことで俺の中ではケリが付いてるんだけど…」
K太はウィスキーを煽る。
「それで、アイツと結婚して張りができたせいか、仕事もうまくいくようになって、それで今に至るわけよ。
6歳の時に、お姉さんと約束した『もしまた会ったら、一緒に過ごしてくださる?』っていう言葉はもしかしたら結婚してってことだったのかなとか、ちょっとファンタジーなこと考えちゃったりしてさ」
からからとK太は笑う。
「そんな奥さん、裏切っちゃダメだろ?」
僕が言うと、
「なーに真面目くさってんだよ。そういうわけで俺とあいつはヒトカタならぬ縁なワケよ。浮気のひとつふたつでどうにかなることはないんだよ」
こいつ、浮気を認めやがった・・・。
浮気は愚か、結婚すらしてない僕にとっては憎たらしいやら羨ましいやらである。
「そんなワケだ。すげーだろ?」
また豪快に笑う。
「それにしても、お前さ?お約束っていうか、フラグっつ―か、そういう話ってしねえ方が良いんじゃないの?ほら、雪女とか鶴女房みたいにさ」
へん、とK太は鼻で笑う。
「別に『この事を決して話してはいけませんよ』とか言われてね―し」
その日は、こんな感じの話をした。
