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Kalraの怪談

第2章 二夜目:七不思議巡り

開かない。あいつが開けたときはすんなり開いた。鍵がかかっているわけがない。
でも、開かない。
ガチャガチャと門を開けようとする僕を見て、あいつは笑った。

あれ?
コイツ、だれだっけ?

ソイツは笑った。
「7つ目はこうだよ。
 二人で七不思議を回ってはいけない。
 一人が二度と帰れなくなるから」

「僕も何十年も前に騙されて、七不思議を回らされたんだ。
 僕を騙したやつは『帰った』よ。
 僕も『帰る』。
 お前は『帰れない』」
「僕が七不思議を伝えてあげるよ。誰かが興味を持って、君と一緒に七不思議を回ってくれるかもしれないだろう?」

僕はわかった。伝えるヒトがいないはずの七不思議を伝えたのは誰なのか。
なんで「七」不思議なのに6つしか伝えられないのか。

そして、なんで月のないはずの晩なのに、さっきからこんなに月が照らしているのか。

ココはもうこの世じゃない!

僕は門を死に物狂いで開けようとした。開かない、開かない、開かない。
門を乗り越えようとしたが、門の外に出ようとすると見えない壁のようなものが邪魔をする。
走って別の壁を登ろうとしたが同じだった。

「ぎゃー!!」
僕は叫びにならないような声を上げた。
ソイツはニヤニヤと見ている。
僕は爪から血が出るまで壁をよじ登ろうと必死になった。

イヤダイヤダイヤダイヤダ

ソイツはくるりと闇に、月のない闇に向かって歩き出した。

「じゃあね!」
軽く手を振る。
ソイツは、闇に消えた。

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