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自殺紳士

第7章 Vol.7:復讐の日

☆☆☆
「あいつはいつも俺のことを馬鹿にしていた」
事態が飲み込めないまま
 私は男に話を始めていた

そう、あいつはいつも俺のことを馬鹿にしていた
 取るに足りないような失敗を声高に取り上げ、
社会人として、人間として取り返しのつかないことをしたと騒ぎ立てる

自分のミスも全て俺のせいにした

半病人、精神異常、脳機能障害、発達障害・・・
部下の前で罵倒された
「こんなやつの言う事聞いてたら、ダメ社員になるだけだ」

意見を言えば、「言い逃れ」「口答え」と
「一人前の仕事もできないくせに、口だけは達者だな」
「何もできねえやつが、偉そうに言うなよ」
せせら笑う

「死ねよ!その方がみんなのためだ
 ゴミなんだよ、お前は」
それが、先週言われたことだった

気がつくと、私は随分話をしていた
 男は静かに聞いていた

「大変だったんですね・・・」

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