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自殺紳士

第7章 Vol.7:復讐の日

「だから、だから俺は思い知らせてやろうと
  どうせ、死にっこないと思っていたのだろう
 あんときの言葉はみんな聞いている
  これで俺が死ねば
 あいつも社会的にただではすまない
 遺書も書いた
だから、だから・・・」

今日、死のうと思ったのだ

プライドはズタズタだった

今までそれなりに仕事をしてきた
 間違いはあるが、自分なりにカバーもしていた
それをあいつは、まるごと否定した

許せなかった 受けた傷をわからせたかった
 私の怒りを腹の中にねじ込んでやりたかった
悪かったと、内臓ごと全部吐き出すくらいに悪かったと、
 そう思わせたかったのだ

「復讐だったんだ・・・」

結局、そう、復讐だ
 心が傷つけられた
その復讐に命を賭けようとしたのだ

私はここまで話して
 ああ、そうかと、理解った

『俺は、復讐したかったんだ』

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