バニーガールホール
第8章 飢えと渇きとモヒート
チリッ…と…胸の辺りが
小さく焦げるような感覚。
この俺が…今…感じてるこれを
心の渇きに例えるのなら、
確実に…その原因はユイだ…。
ユイにハマればハマるほど。
入れ込めば入れ込むだけ。
俺のその乾きは強くなる一方で…。
グラスの中身を飲み進めて、
喉の渇きは癒えて行くのを感じるが
心の渇きは一行に癒えて行く気配はない。
『今夜は…お連れ様は…?』
そう…あっちの常連客にユイが
声を掛けた、あの時非常階段で
ユイの口にチンポを捻じ込んで
ヘコヘコと腰を振って居た方の
オッサンは来ないのかと言う事だろう。
『ああ、アイツなら…
ちょっと遅れて来るよ。
それより…ユイちゃん…
今夜は…”上”は空いてるかい?』
俺も……ラビットホールの
こう言う隠語にも…、
大分明るくなって来た。
この客が上と言っているのは、
このビルの上にあるレンタルルームの事で
馴染みの常連客達は、あのピンサロの
奥にあるVIPルームじゃなくて
自分達で金を払ってレンタルルームで
ユイとの時間を楽しんだりしてる。
『申し訳ございません、お客様。
今夜は…上は空いておりません』
『そうか…なら、仕方ない…』