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その中に入っていたのは
良くある…ラッピング材料の
千切りキャベツみたいになった
ふわふわの鳥の巣みたいな紙が
こんもりと盛り上げて入れられて居て。

中身が何かはそのラッピング材が
覆い尽くしていて見えない状態で。

ふわふわのラッピング材の中央に
…ウサギが１匹。ぴょこっと
巣穴から…顔を覗かせている。

どことなくにだが…そのウサギは
さっき屋上に描かれていた
カッパーブラウンの毛色をした
ユイのウサギに似てる気がする。

そのウサギは……キーホルダーに
なって居て…、キーリング部分には
カクテルグラスのモチーフが付いていて。
一緒に通されていたのは…、
新しい…ピカピカの鍵が２つ…。

「ユイ…この鍵は…もしかして…」

『はい…そのもしかして…の鍵です…、
もし、琢磨さんが…お嫌で…無ければ…
いつでも…秘密の部屋に…
琢磨さんに…お越しして…頂ければと…』

「ちょっと…お礼の支払いが…
多すぎや…しないか？ユイ…」

秘密の部屋で
俺が見た事、
俺が聞いた事、
秘密の部屋の存在も
全部…外で口外禁止とは…
ユイも…唯花も…上手く言った物だな…。


『私を…ちょっと、月まで…
連れて行ってくれませんか？』