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Lの劣情

第1章 2024年6月吉日…

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 アイ先輩とのキスは…
 甘く、柔らかな、熱いキスといえた。

 女性特有の、いや、男とは全く違う柔らかな唇の感触…

 ルージュのせいもあるのだろうが甘い味の唇…

 そして熱い想いの伝わってくる、やはり女性特有の柔らな舌の感触と、甘い蜜が絡まっているかの様な舌同士の絡み合い…

 それらの要素が相絡まって、わたしの心とカラダを蕩かせてくる。

「……あ、ふ、うぅ、ぁ、アイ先輩……」
 わたしはそんなアイ先輩のキスにすっかり全身のチカラが抜けてしまい、まるで酔っ払いの千鳥足の様に180cmの彼女に肩を抱きかかえられながら部屋へと運ばれていき…

「あ、んん…」
 そしてベッドへと寝かされた。

「みっき……」

 まるでアイ先輩のキスにすっかりと酔いしれ、いや、さっきまでのお酒の酔いと相まって…
 わたしは仰向けに寝かされ、そして彼女を見つめていく。

 ドキドキドキドキドキドキ…
 お酒と昂ぶりの興奮の高鳴り。

 ズキズキズキズキズキズキ…
 甘く熱いキスによる露わになってきている女性の、いや、メスの本能の昂ぶりの疼き。

「あぁ、み、みっきぃ…」
 そんなわたしのまるで酔い痴れたかの様な痴態を見つめ、彼女はわたしのショールを外し…
 露わになった肩に唇を寄せてくる。

「ぁぁ、ぁ、アイ…せ、先輩ぁぃぃ…」
 わたし自身もそんな、いや、すっかりこの不惑なビアンのシチュエーションに酔い痴れ、そしてその愛の伝わるキスに違和感は全く感じずに…
 いや、むしろ逆に、早く、速くと心が昂ぶり、疼いてきていた。

 実はわたしはこんな本格的なビアンな展開の経験は無かった…
 さんざん、自分の小説には熱いレズビアンのシーンを描いてはいるのであったのだが、実体験としては中学時代に半分フザけて友達とのキス経験と、大学3年時の再起不能のケガにより、もう二度とバスケが出来ないとヤケクソに荒れていた大学4年の春先の時期にレズビアンバーに迷い込み、酔い潰れた挙句のレズビアン体験をしてしまった…
 という一度しかなかったのである。

 そしてそのレズビアンバーでの体験は、酔い潰れていたというせいもあり、その半分以上の記憶が無いというレベルであったのだ…

 ただ、自分の中にこうして小説を描く様になってからは秘かにレズビアン願望があるんだろう、とは自覚をしてはいたのだが…
 


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