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微熱に疼く慕情
第3章 【甘く麻痺していく心情】
呼び出された会議室
ノックすると(あっ…)すぐに扉が開いて中へと引っ張られた
熱い身体……ギュッと抱き締められて
「ごめん、もう限界だよ」と耳元で囁かれる
少し先延ばしし過ぎてこうなっちゃったのかな
「先輩…?」
待つ事が苦痛になりましたか…?
私、まだ告白の返事してなかったですよね
ジャッジしてくれるまで待つって話
最近、仕事もなかなか忙しくて食事すら行けなかった
プチ繁忙期はやっと落ち着いてきた頃
今がそのタイミングだって思ったのかな
「ごめん、少しで良いから橘さんチャージさせて…」
ほんのりシトラスの香り漂ういつもの先輩の匂い
社内で毎日顔は合わすけど、こうして触れ合うのは本当に久しぶりで、思わず私も背中に手を回してしまいました
男を感じる瞬間、無意識に甘い蜜を吸わせたくなる
「先輩、人が来ちゃう…」
「大丈夫、もう少しこのまま…」
全然腕の力弱めないじゃないですか
クスッ……匂い嗅がないで
首元、弱いんです
「先輩、今度、ご飯行きますか?」
「行く……今日は?」
「え、今日ですか?頑張って定時目指します」
「良いの?帰せないけど」
「え…?」
あれ、山岸先輩って押したり引いたりが忙しいというか、コロコロ変わる人?
「あ…ごめん、また焦ってる、ダメだよな、でも、少しでも長く一緒に居たいと思ってるよ」
そうそう、押してくるけど、結局はこういう控えめな人
だから構いたくなるんだろうね
年上っぽくないから可愛く思えたり、時々、牡化してくるからこっちも引いてみたり
社内恋愛する気はなかったけど、何か放っておけないと言うか……
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