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微熱に疼く慕情

第3章 【甘く麻痺していく心情】






「はい、頑張って時間作るので機嫌直してください」


「ハァー、本当可愛い、ズルい」


「え、ズルい?そうですか?」



笑いながら顔を覗いて上目遣いしてあげたらイチコロでしょ…?
おっと、キスされそうになっちゃう
ヤバいって先輩もブレーキ掛けてくれた感じ?
顔を背けて一旦クールダウンしてくれてる



「もう戻らないと…」


「うん……」



そう言ってもまだ離れてくれません
先輩…?
もう一度見上げたら結構…顔の距離近くて
あ……これヤバいやつ、って思ったら動けなくなっちゃった



「頑張れるおまじないちょうだい」と眼鏡を外された
「え……おまじない、ですか?」って目線戻したら
やっぱり重なっちゃったよ
初めてのキスは会社の会議室だった
先輩、せっかちな性格が出ちゃってますよ
もう少し焦らしてあげたかったのに
今夜、キスくらいまではいっても良いかなって浮かんでたのに先にされちゃった



「先輩、会社ですよ…」


「全然待てなくてごめん」



再び重なる唇
完全にスイッチ入っちゃってるなぁ……
キスの相性はまずまずといった感じ
舌引くの早いですよ、理性ぶっ壊れてるくせに
舌先吸ってあげたら目が合って……
ほら、激しくなってきた
首に手を回してあげますね
背中や腰に回る手が逃さないって言ってる
離れてもまた欲しがるね



「ハァハァ……もう戻らなきゃ」


「うん……」


「もうダメ」



終わらないからこっちが諭してあげなきゃ
曲がったネクタイ直してあげる
えぇ、まだシたそうな顔……そんな顔もするんですね



「私まだ、返事してないのに…」


「ご、ごめん……」



これじゃもう、返事したようなものだよね
私もまだ、先輩の肩に触れてる



「キス……しちゃったじゃないですか、もう」



怒り口調な後の笑顔にまた堕ちたよね






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