テキストサイズ

微熱に疼く慕情

第5章 【陶酔させてく純情】






「ごめん、でもさ、俺は……やっぱり公表したいよ、付き合ってるって」


「え…?何でですか?」


「最近、特に周りの一華を見る目が変わってきてるっていうかさ……誘われたりしない?一華の事、良いって言ってる野郎も居るしさ」


「居ませんよ、そんな話も聞いたことないし」


「さっきの奴もわざとあんな事言って惹きつけようとしてたんじゃない?」


「……なら逆効果です、嫌いなタイプだし仕事以外で関わりたくない…かな」


「マジで一華が笑わないタイプで良かったというか、あ、変な意味じゃなくて…」


「んふふ、わかってますよ、俺以外は塩対応で…って事ですよね?」


「うんうん、そう、一華の笑顔とか魅力的なところは俺だけが知っていたい」


「了解です、あ…私、今日は残業になりそうです」


「そっか、俺も定時は無理そう」


「頑張りましょうね、嫉妬ばかりしないでね?」



隼人さんの扱いは慣れてきている
社内でよく顔は合わすけれど、あくまで他部署の関係性で程よい距離感のままで居る
付き合ってる、別れた…とか煩わしいじゃない
だから伏せるよう頼んでおいたけど
そろそろ限界なのかな
公表して何になる…?て思う私は冷たい?
寧ろ、仕事しにくくならないかなって懸念しちゃうんだけど



エレベーターが開いて私だけが降りる
会釈だけしてその後は振り向きもしない
2人だけのルールって必要でしょ?
社内恋愛って私にとってはリスクだらけなの
女の敵も私に刃を向けるしね



月に2回ほど残業して、後は意地でも定時に上がる
一人の時間も必要だし、先輩以外も相手しなきゃならないし…?
タクシーで移動してホテルに向かう
悦んで尻尾振りながら私にダイブしてくる子はだ〜れだ?





ストーリーメニュー

TOPTOPへ