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微熱に疼く慕情

第5章 【陶酔させてく純情】






夕食時は何とか女子チームと一緒に居れたし
隣はお局様だったし、先輩も安心して食事が出来ただろう
ていうか、今度は先輩がまた囲まれちゃってる
私の事は散々心配してたのに、自分は?
普通にボディータッチされてますけど?
隣に座るの断りきれなかったのかも知れないけど
あからさまに先輩に気があるの見え見えなんだから
もっと警戒しなよ
後で文句言ったらだから公表しようって言ったんだよとか言ってきたらブチ切れる……



少しだけにしようと思っていたけどグラスに注がれた瓶ビールをグイッと飲み干してしまった



変なの………私にもそういう感情あったんだ?
いや、あったんだろうけどすっかり忘れてた
嫉妬…?私が…?
きっと私も営業部に囲まれてた時は先輩も同じような気持ちだったんだよね
冷静にならなきゃなんだけど、今すぐは無理だなぁ……



なるべく見ないようにしてたのに
「やだぁ!山岸さんこぼさないでよ〜」ってケタケタ笑う声が聞こえてきて、どうやら隣に座ってた女のグラスを先輩が零してしまったらしい
「わぁ、ごめん!濡れた?あ、すみません、おしぼりください」と先輩の声
「酔ってます?大丈夫ですかぁ?」って甘ったるい声
見なくても腕に触れてるってわかっちゃうの何でかな……



これでこの後会って大丈夫そう?
何を話すの?
川沿いを歩いて?
酔いを覚ますの?



「あ……ちょっと電話するので先に戻ってます」
と食事を切り上げた
彼氏?と聞かれて微妙なリアクションしちゃったけど快く送り出してもらう
自分の分は片付けたのできっと先輩も私が居なくなったの気付いてると思う



すぐに誰かが追い掛けてきたような気がして
先輩の慌ててる姿が目に浮かんだ
「橘さん…!」
そう呼び止められて機嫌悪く振り返ったら……






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