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微熱に疼く慕情

第5章 【陶酔させてく純情】






え…?此処って……
カードキーで開けて中に入っていく
此処は先輩の泊まる部屋
先輩も2人部屋で誰かと一緒なはず 
勝手に連れて来られたけど
見つかったらヤバいよ…?



「ごめんね、俺、多分、言葉足らないし一華の事、配慮出来てないよな、絶対嫌な想いさせないって言っておきながら本当にごめん……何でもするから許して、もう二度と他の女子とは関わらない」


「……そんなの無理ですよ、何でそんな出来もしない約束するんですか?私だって他の男の人と喋るなって言われても無理ですよね、仕事になんない」


「うん、やむを得ない時以外は……で」


「とりあえず、此処に居るのバレたら大変なんで戻りますね、散歩は……また連絡貰えれば」



行きたくないと言ったらまた面倒くさい事になりそうだから行く事にする
さっさと切り上げて部屋に戻れば良いし
何か、初めての喧嘩が社員旅行とかウケる……



バン!と扉に手をついて開けさせてくれない
顔を上げたら今にも泣き出しそうな顔で
「今帰したらどんどん距離開いちゃうだろ?帰したくない」って何でそんな事が言えるんですか……
声を荒げてぶつかり合いたいんじゃない
少しずつ気持ちも落ち着きを取り戻しつつある



「嫉妬……したんです、私」


「うん……ごめん、俺が完全に悪い」


「初めてなんです、取られたくないなって思ったの」


「こっち向いて、一華」


「嫌です、そのまま聞いてください……」


「わかった」


「……ムカついてます、先輩にも……自分自身にも」


「うん……」


「だから一旦離れたかったのに……」


「ごめん、それは出来ない、今みたいに本音話してくれる機会失っちゃうから」


「……私の本音なんて、ぐちゃぐちゃしてて醜いですよ」


「全然それでも良い……それごと愛したい……」






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