
微熱に疼く慕情
第5章 【陶酔させてく純情】
私が行きたいところ全部叶えてくれる
次は猫カフェで癒しを……と向かった
特に大好きなロシアンブルーと戯れて
めちゃくちゃテンション上がった
「ヤバい、可愛過ぎる…」
先輩の周りにも私の周りにも猫ちゃんたちが
集まってきて凄い事になってた
他のお客さんに申し訳ないくらい独占してしまい
お暇する事に……
「そういや実家ではワンちゃん飼われてるんですよね?」
「うん、覚えててくれたんだ?」
「はい、トイプードル可愛かったから、名前は何ですか?」
「……豆助」
「ま、まめすけ!?」
「めっちゃ小さかったから」
「ちょっと想像してた名前じゃなくてびっくりしましたけど、和風っぽい名前も可愛いですね」
「もう老犬だけどね、可愛いよ、いつか……いや、近いうちに会ってやってくれる?」
「え…?会わせてくれるんですか?」
「うん……ていうか、実家にって意味だけど」
「はい」
「豆助はついでにって意味で、実家に来て欲しいって事は……その、親に会わせたいって…意味、です」
「あっ……そっか、そう…ですよね」
ワンちゃんの話でそっちの話に繋がってしまった
うん、そうだよね、次はそう来るよね
「いや、そういう重い感じじゃなくて、本当、遊びに行く感覚で良い、というか……まだそういうの早いかな、とは思ったんだけど、豆助の話になったからつい……」
「んふふ、そういうタイミングが来たら……改めて連れて行ってください」
「う、うん!」
少し驚いちゃったけど、お付き合いしていく上で
ぼんやりと浮かんでは消えていく言葉だった
それが先輩となると、本当に形になっちゃいそうで
ちょっとブレーキ掛けちゃうかも
私の中で先輩一色にはならないって伝えるべき…?
好き……だけじゃまだ進めない
