
微熱に疼く慕情
第8章 【壊れていく劣情】
「え、何を?」
「んん…っ」
「意地悪してごめんね?でも私ってこういう人間なの、ちゃんと何をしたいのか言ってくれないとわかんないよ」
握る私の指で更に距離を縮めるよ…?
顔、近くにしないと言えない…?
「ていうか、堺くんってマスク外してもイケメンだね?」
「えっ……そんな事、ないです」
「外さないの?」
「え……」
「早く戻らないと怪しまれるんじゃない?先輩看護師さん達に」
「あ……はい、えっと……」
サイドテーブルに頬杖して見つめててあげる
握り締める指も握り返すよ
こんなにチャンス与えてるのにな……
「あ、元に戻ったね、良かったね」と股間を指差す
次またしたらさっきみたいになるんじゃない?
「はい、タイムオーバー」
「えっ?」
「食器、返しに行こうかな」
「あっ、それは僕が…」
「そう?ありがとう、じゃあ、またね」
バイバーイ…と部屋から送り出す
悶々とさせるのも一つの手だし、
きっと今日は頭から離れないはず……
次に扉が開いた時には私は笑顔で迎えるの
「ねぇ、遅いよ、待ってたの」
「悪い、今日もちゃんと飯食ったか?」
「明島さんは?食べたの?」
「あぁ、食ってきた、会食だったから」
「そっか……お疲れ様でした」
「うん、疲れた……癒して?」
大きな身体して甘えてくるところは私のツボを押さえてる
今日は一人みたい
黒崎さんには別件の仕事を入れたって言ってた
私を独り占めする為に……と思って良いのかな?
「シルクのパジャマ姿も唆るな」とか言いながら腰から引き寄せてキスされる
明島さんのキスは本当に危険……
立ってられなくなるから
「おっと…」って支えられてベッドに連れ戻される
キスイキさせておきながらちっとも悪びれる様子もない
トロンとした私にベッドの上でも容赦なく再び絡み合う
