
微熱に疼く慕情
第9章 【歪んだ世界でも凛として…】
インターホンが鳴って玄関を開けるともう涙目
「おかえり……で良いのかな?エヘヘ」
「一華……凄い、一華が居る」
「え?だって私の家だもん、ふふふ」
大きく手を広げて抱き締められる
噛みしめるように「一華だぁ…」って言われたら
嬉しくて背中に手を回しちゃうよね
「心配かけてごめんね?あと、掃除とかもありがとう」
「そんなの当たり前だよ、彼氏だもん」
「うん……部屋が綺麗なままで嬉しかったよ」
「あ、そうだ、はい、鍵」
「あ……何でコレ使って入って来なかったの?」
「え〜だって、一華に開けてもらいたかったんだもん」
「あはは、そうなんだ?」
「うん、何もかも可愛くてびっくりした」
「え〜?何それ」
手を引いて連れて行く
手洗いうがいしている間も後ろからハグして離れないよ
ラブラブしたいでしょ?
ニヤついてるの全部見えてるよ
洗面所でキスも何回したんだろうね
コラ、すぐお尻触ってくる
鼻先チョンして「まだダメ」って煽ってみようかしら
でも随分お待たせしたもんね
こんなの待てないよね
わかるよ、私もそうだから……
「もうベッドなの?」
「ダメですか?」
「ご飯は?」
「お腹空いてる?」
「ううん、私はまだ大丈夫だけど」
「じゃ、一華を先に食べたい……」
「あはは、うん、良いよ」
ん……あれ、今日、大智は……
そうなんだ
今日だけ譲ってもらったんだ……
2人でそんな話もするんだね
あ、でもさ……
「もうアイツの話は終わり」ってキスで塞がれちゃった
ごめんね、わざと……
何だろう、私、相手を怒らせたいのかな?
激しくして欲しいから…?
うん、そうなのかもね
俺だけに集中してって言われたいのかも
