微熱に疼く慕情
第11章 【普遍的な真理】
———私、橘 一華は、誰のものにもならない事を選んだ
ただ、その人と会っている時だけはその人を全力で愛していく
制限はあるけど、心の底から愛を届けるよ
それでも納得出来ないなら
とことん話し合うか、見限ってもらうしかない
私からは決して別れを口にはしないよ
本人の意志じゃないと本当の意味で決別出来ないから
矛盾してるって思われても仕方のない事
誰かを選ぶ事が出来ないのだから
優先順位もないよ
会いたくなったら会いにおいで
私からも行くし、その日だけは最高の恋人になってあげる
ご奉仕もするし、お仕置きだって受けるよ
好きにしてもらって構わない
その時間だけは、あなただけを見ているから
一華………
一華さん………
橘さん………
愛おしそうに私を呼ぶ声が、堪らなく心地良い
その手を握り、唇を重ねる
ようやく息が出来た気がするの
漲ってくるんだよ
あぁ、私、生きてる……って実感するの
その術が、セックスなだけ
セックスだけが好きな女ってどうですか
それ以外は、興味ないんだけど
そんな女、いつか飽きられちゃうかな
飽きさせるつもりはないけどね
一時の熱に溺れたいなら大歓迎……だよ
そのまま私に溺れて、人生狂わせちゃうかも
でも出逢っちゃったんなら仕方なくない？
こんな私を捕まえてみる？捕まえられてみる？
後悔したくないでしょ？
目の前に居るなら、キミは甘い蜜に誘われちゃったんだよ
ワンナイトでは終わらせる気ないけど良い？
もう観念しちゃえ、ズブズブに沼れば良い
普段は地味なOLだけど、化けの皮が剥がれたら
とんでもない痴女だった……って女の話、まだ読む？
読むよね？
最後までどうなるか見届けてよ
そんなの、私が一番知りたいんだからさ………
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