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2人きりの夜から

第10章 10

3日が過ぎて金曜日になった。特に先生には会いに行かず、家に帰っていた。

明日明後日は土日で、先生に会えなくなるから会いに行くことにした。

先生のいる教室の前に行くと、

「先生、あおに手出さないでください。出ないと、俺誰かに言うかもしれないです」

「言ったら、俺に迷惑かけるのはいいが川田に辛い思いさせることになるぞ」

「……くそっ」

お兄ちゃんと先生が話してるのが聞こえてきた。やばい、どうしよう。しかも内容は私のこと。

 ――ガラガラ

「お兄ちゃん、何で」

「あお……」

「川田が心配だって」

「絶対渡さない」

「それは川田が決めることだろ」

「そうだけど、あおは俺を選ぶから。そうだろ、あお」

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