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HEAVEN~時を超えて~

第1章 逢えた

『ハァ…ハァ…』


バスルームの壁についもたれかかりそうになる
脚が震える…息が止まりそうな呼吸を必死に整えて






『マコト…下着つけたままだよ?』





『ぃ…?…』





『クスクス…慌てん坊さんだなぁ相変わらず』





『な…んで……いるの?』




『脚ガクガクしてるじゃない

危なかっしいな。さ、座って?』




なんで…?服のまま後ろに現れるこの男は?

ここお風呂だよ?

脱いでいられても困るけどさ


って…そんな話じゃない


相変わらずって…なに

あたしの何を知ってるの?

私はあなたを全く知らないってば



情報量が足りなすぎ


ううん
逆にピンポイントで爆弾みたいな情報が多すぎ


頭を錯綜させるんだ



瞬き出来ずに立ち尽くす間に

スルスルと下着を下ろされて椅子に座るように促されていた




『っ…ぃ…いい加減にしてよっ…!!!』



本能的に両手で体を隠して拒む




『そのうち慣れるって言ったでしょ?

なんだって誰だって千里の道も一歩から

大丈夫大丈夫。さ、座って?』




『っ…っ…ぇぐ…うっ……うっ…』



救いようがなさすぎて
涙のダムが決壊する



サイコパス…っていうか

宇宙人?



そう、そうだ

宇宙人と話してるって思えばいいんだ




って…そんな完結出来る訳ないじゃん



あたし、宇宙人と話したことなんかないもん

地平線に逆戻り




ジャバジャバジャバ



『っ…キャ…っ…ぃゃ…だ・・』



背中を丸めたまま座るあたしの体に
シャワーのお湯と
大きくて…何故か優しい手が降りてくる


笑顔(に…見える)なまま
あたしを強引に座らせた時の…一瞬の
すごく恐怖を覚える力強さと
同じ手のはずなのにな




『お湯の温度どう?熱くない?』



『ゃめて…』

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