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HEAVEN~時を超えて~

第2章 新世界の中

彼女の前に朝食を並べる


『さぁ、冷めないうちに食べようねマコト』


『ふざけないでよ…
あたしを犬か猫にでもしようとしてるの?』



『…犬猫って言うよりは…うさぎとかリスっぽいかなぁ』



『だからそういうのやめてってば…』



真は手錠を椅子にぶつけながらジタバタと抗議する



『こわい顔ばかりしないで、ほら』



『食べれる訳ないでしょ…何考えてんのよっ』



ガチャガチャン…

真は両腕を動かして怒りをぶつける



あ、そういう事?

犬食いさせられると思って怒ってるのか

やれやれ…参ったな

そんな訳ないじゃないか


僕は少し急いでフォークを手に取る




『クスクス…マコト…はい、あーん』


『な…』


『どんな時でも食事だけはちゃんとしようね』



『・・・。やめて・・・いらない』



瞬きを速めて、真は顔を反らした



『冷めちゃうよ。ほら、、あーん、して』



『食べられない…・・・』




〃屈辱だ〃…って言葉の代わりの抗議
それくらいはわかっているよもちろん

カタン…

一度フォークを置いて
僕は彼女の隣に座る





『マコトは、今驚いたり怖がったり
感情が忙しくて、とっても興奮状態だと思うんだ
冷静になれないと余計なケガの元だから』



『だから誰のせいよ…誰の…っ』



『僕は…マコトが大切だから
痛い思いしたり悲しむ姿は見たくないんだ』



『…理屈…めちゃくちゃだよ、あんた』



『だから…あまり暴れないで?
〃それ〃は、マコトが
もう少し落ち着くまで我慢してね』




『…あんたの…変人思考回路に付き合う義理はない』





再び俯く彼女の頭に手をのせて
僕はフォークを手に皿のスクランブルエッグをすくった

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