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HEAVEN~時を超えて~

第2章 新世界の中

『さてと、、マコト…せっかく落ち着いてきたんだし

あまり興奮しないでね?

聞いてあげられるって保証は出来ないけど

マコトの望む事も何だって話してくれて良いからね』



『…〜〜』


無駄に…爽やかな笑顔が・・・あたしの状況には残酷だ



『あ、そうだ
じゃあせめて…マコト、欲しいもの…
必要な物とか食べたい物教えて?今から出掛けてくるから』



『・・・。』



『コスメとか色々必要だよね?ごめんね遅くなって』







『ぇ…』



『当然でしょ…マコトにはここで快適に暮らしてもらいたいんだからさ』




前言撤回…やっぱりめちゃくちゃだわ…この人



『ね?…マコト』




『何もいらないから・・・服を…返して…』



ここに来てあたしは
着替えても男性物のTシャツやシャツ
おそらくこの人からの借り物のそれを
頭から被せられただけの滑稽な出で立ち

間違えても人前に出られる姿ではない
意図してるのだとしたら
あたしが逃げ出す事を諦めるには
大きな一役を買っている要因だと思う。



『あぁ、しまった…そうだよね
洋服は実は少し用意してたんだけどさ

マコトの着てた服?…あれよく似合ってたね
お気に入りだった?
洗濯して綺麗に保管してあるから安心してね』




『…』

普通の格好をさせて、って言いたいだけなのに


それより

千載一遇な交渉のチャンスを


目の前のストレスに使ってしまった事に後悔する


まだ間に合うかな…


天使で悪魔な笑顔のおかげで脱力する頭を
一生懸命に回転させて
あたしは頭の中で作戦を捻り出す

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