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HEAVEN~時を超えて~

第2章 新世界の中

『コト……マコト…?』





寝てた…?
ううん…少し気を失ってた

何も知らなければ綺麗で心地よいであろう
その声に起こされて




『おやつの時間だよ、起きて』


拘束を緩められて一緒にリビングに降りると

テーブルにはティータイムセットと…



本当に買ってきてくれたんだ


あたしが言ったケーキが並べてあった。



どうしよう…



ウソをついたってとっくにバレている

こわい…。



相変わらずニコニコしてるし…


こわい。




ケーキなんか…食べられる精神状態じゃないのに

ちょっと戻しそう…だなんて言えない

どうしよう…。






…ザクっ…




『イチゴってさ…可愛いよね』



『ぇ…』



気付くと隣で座って
ケーキの真ん中のイチゴにフォークを突き立てて…
こちらに向ける姿があって



『一生懸命に真っ赤になってて…ツヤツヤでさ

なんか・・・マコトみたいだね』




ゾクッ…




『はい・・・あーん…』




『…ぅ…』



いらない…なんて、口が裂けても言えない



『ぅ…・・・パク……モグ…』



『おいしい?』


『……』

コクン…


涙目になるのを堪えて頷く



『ふふ…沢山食べようね』



ひと口…またひと口と
フォークでケーキが運ばれて




『ケフッ…ん…ちょ…っと、、待っ…』


口の中がいっぱいになっても…押し込むように

頬を掴まれて口にケーキが運ばれる




『マコト…好き嫌い言っちゃダメ

ていうか…これマコトのリクエストでしょ』




『っ…ケホッ…ゴクっ・・・ご、、めんなさ、、ぃ』


ブルブルと震える体と声に
あたしはそう言うのが精一杯だった


笑顔の下は…しっかりとあたしの反抗を理解して
狂気に溢れている


『どうして謝るのマコト?〜ほら、あとひと口

こういう時間も尊いよねえ。大切にしなくちゃ』


ゾワッ…




あんなこと…しなければ良かった

なんて思っても遅いのに



それでも…あんなことしなければ

こんな恐い事にはならなかったのに

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