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HEAVEN~時を超えて~

第3章 錯乱

あたしは…なんだか
胸を掻きむしりたくなるような
ソワソワとモヤモヤとした気持ちを隠していた


『マコト、もう少しだから待っててね』





いやだよ…今すぐ出たいんだ


『うん…』



ボーっと突っ立ってると変に思われる
何か…しなくちゃ



『お昼はサンドイッチが良いかな?天気も良いしね』



『ぁ、、良いかも…あたし作るね』



『あとはつめるだけにしてあるからマコトは休んでて』



『・・・。いつの間に。…ありがと』


『ふふっ…お安い御用』


『楽しみ、すごく』



心の声と全く違う言葉を返してごまかす




『ぁ、時計…電池替えるの忘れてた、ごめん』



手持ち無沙汰なあたしは、棚にある針の止まった置き時計を持ち上げて呟いた



『あとで僕がやっておくよ、置いておいて』



『うん』



コトン…


棚に戻した時計から両手が中々離せない




いやだ・・・胸の奥が虫でも走ってるみたい

モヤモヤしてかゆい




『ぁ、ねぇ…この間教えてくれたそこの本見てもいい?』




『クス…こんな小難しい本やだ〜って言ってなかった?』




『じっと待ってられたら仕事やりにくいでしょ…
小難しい本でも見てみても良いかなって』




『クスクス…ん…この辺なら…まだ読みやすいかな』



キィ…

その人が手を止めて立ち上がり
前方の上の方にある分厚い本に手を伸ばす時




ギュウ…っ


あたしの両手は重たい置き時計を強く掴んでいた




『はい、マコト』



そのいつもの笑顔が…こちらを振り返り切る前に





『っ・・・…!!』





ガツっ……


あたしは両手を振り上げていた

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