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HEAVEN~時を超えて~

第3章 錯乱

『っ…ハァっ…ハァっ…ハァっ』



・・・


・・・・・



救急車を呼ばなくちゃ

警察に事情を話さなくちゃ


例えば危害を加えられたからって

やり返して良い理由にはならない


傷付けられたからって

自分も誰かを傷付けて良い道理なんてない



あたしの脳が…正常に機能していれば

当たり前にわかっていて

理性と言うブレーキもかかっただろう



『あ…ぁぁ…・・・ィャ…っ…!!』



ゴトン…っ…


瞬きを繰り返して我に帰って
握りしめるように持っていた置き時計を床に投げ捨てて



『ぁ…あたしが…悪いんじゃない…』


必死に自分を正当化して心を逃がそうとした



こんなやつ…どうなったって知らない

そもそもこいつがこんな事をしなければ良かったんだから


人を無理矢理連れ去って、閉じ込めるような

こんな…


こんなやつは…これくらいの報いを受けたって当然だ




ガクガクと震える脚を叩くように動かし


必死に自分に言い聞かせて


あたしは部屋を飛び出した

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