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HEAVEN~時を超えて~

第4章 心覗き合い

『マコト〜?まだ寝ないの?』


夜になっても上機嫌なマコトは
本当に子どものようだった

僕でも苦笑いしてしまいそうなくらいにね



『♪〜…♪』


鼻歌なんか歌ってる

…と思いきや


キッチンを片付けながら笑顔のマコトが
手にしている〃モノ〃を見て

僕は瞬時に顔を険しくする



『マコト・・・なにしてるの?』



『♪〜…♪…・・・え?』



マコトは綺麗に片付けたキッチンから
果物ナイフを手にして微笑んでいた


・・・どういう了見なのだ一体



『マコト…〃それ〃…手を離すんだ、今すぐ』



『ふふっ』



『マコト…言うこと聞けないの?』



僕は声を低くして彼女に詰め寄る




『ふふ…うん、、はい』



『?』


マコトはニコリと笑ってナイフを僕に向けてきた





・・・?



正確には…ナイフは

その刃先は…彼女自身に向けられていた。


彼女はナイフの柄の付け根を持って
僕に柄を向けて手渡すように差し出す




『どういうつもりなのマコト…危ないもの触ったらダメだっていつも言って・・・』




『だって…信用してくれないでしょ?あたしのこと』



直ぐにナイフを取り上げた僕の言葉に被せて
真は微笑みながらそう言った




『マコト…?』



『だから・・・・はい』



微笑みは少し真顔に近づく



『マコト…そんな事をするのは・・』





『あたしが…逃げたり
あなたを裏切ったりしたら…殺して良い』





『マコト…』




『それは……その気持ちには…嘘はないから

あの時から・・・ずっと』




シャレにもならない、とんだイタズラを始めたと思えば

その目は…真っ直ぐで、気高いまま

僕から目をはなさず、じっとこちらを見つめていた


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