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やってゐやがる

第1章 富嶽百景

本著で太宰が述べているように、銭湯の壁画のように、額に飾ったような「いかにも」な富士には、少し疑問がある。

なぜなら、キレイにトリミングして、鮮やかな色彩で描かれたその富士山の中身は、マグマの地獄だからだ。

富士山よ、お前、そんなもんじゃないだろう。嘘をつくな。お前の内に秘めたるものは、そんなきれいな極彩色ではないはずだ。

でも、富士を額に入れ、色彩を与えているのはほかでもない人間なのだ。人間は、何を思って富士に色をあたえているのか。


こう思うと、人間がなぜ、昔から富士を崇拝しているのか、なんか、わかる気がするのだ。
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