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私の物語

第5章 片頭痛

私の体型には触れず、そのままカフェでコーヒーを飲みながら2人で話をしていた。
その人の話をずっと聞いていると、いきなり想像妊娠の話になった。
すごく嫌な予感がした。

私には前の職場で気になる男性がいた。
その男性とは今もたまに連絡はとる仲だが、男性とその人も仲が良く同じ職場な為連絡も良くとっているらしい。

そして、嫌な予感は的中した。
「〇〇くんに言ってみようか(笑) 〇〇ちゃん想像妊娠してるんじゃない?誰の子よって(笑)」
そう笑われながら言われた。

胸にグサッとナイフで刺されたような感覚。
涙が出そうなのを必死で我慢した。
机の下で爪を立て握り拳をした。
手を開くと掌には爪痕がくっきり付いていたほど。
その場から逃げたかったが、作り笑いをし何も言えなかった。
胸と喉がキューッと締め付けられるかのように苦しかった。

体型や体重が変わるだけで、こんなにも他人から言われる言葉や視線・態度って違うんだって改めて知れた日でもあった。

人の口から吐き出す言葉って、全て狂気に聞こえる。
優しく包みこんでくれる言葉もあるのは分かっているけど、言葉を選んで吐き出すのはその人本人だから、言葉の使い方や選び方でその人の性格が少し分かるような気がする。

それからというもの、その人とは連絡はとっていない。というか、私からはとらないようにしている。
誘われても断っている。
嘘を付くのはいけないことだけど、それ程までにその人とはもう会いたくない。

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