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私の物語

第1章 私のこれまでの人生

携帯は常に怖かった。
母からの連絡で嘘を付くのも嫌だった。
そして、いつ大学から連絡がくるのかも怖かった。
携帯の電池を抜いて1日過ごす日もあった。

大学2年の頃、全てを家族に打ち明けた。
泣きながら話した。
何を言っているのか自分でも分からない程、整理された言葉ではなかったが、ちゃんと聞いてくれた。

そして、大学2年の9月に大学を中退した。

実家に帰り、人と会うのが本当に怖く外にも出られなかった。
家族には精神科に行こうとすすめられたが、外に出て誰かに会う事自体が怖く病院にさえ行くことができなかった。

実家に引きこもり、毎日料理や洗濯、掃除など家事をずっとしていた。
数カ月頃、母に「買い物に付き合って」と言われ怖すぎたが久しぶりに母の車に乗り買い物へ行った。
助手席には乗れず、後部座席で対向車や後ろの車から見えないよう隠れて座っていた。
母は「大丈夫、誰も見てないから」といってくれたが、私はもう無理だった。

スーパーへ着いても、車から降りられない。
それに気づいたのか母が「車で待ってる?」そう言ってくれた。
私は頷き「ごめん」というと「良いよ、少しでも外に出られたんだもん。それだけで上出来よ。」と言ってくれた。

それから、外に出たり、家族の誰かと一緒に買い物へ行ったり、それが私のリハビリとなっていった。
最初はスーパーの中へ行っても、人が多かったり、同じ年の人や学生を見ると怖くなり、すぐに車にもどっていた。

今でも、同じ年の人や学生を見ると何故か怖い。
それはずっと消えないのだろうかと思ったりもする。

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