
幻想遊園地
第1章 第1話:シンデレラ ―The Real Story―
そして時は過ぎ、
今日はとうとう舞踏会の日となりました
王子は使いの者をあの占い師を呼びに出しました
王の触れにより、舞踏会には近隣の国の王女はもちろんのこと、国中の若い女性が招待されたのです
王宮の広間は美しく飾り立てられ、多くの料理が用意されました
舞踏会は日が沈んでから始まるというのに、まだ日が高いうちから多くの着飾った女性たちが王宮の庭に押し寄せ、互いの衣装を見せあっていました
そんな景色を見ていても、王子の心が震えることはありませんでした
宝石のようにきらびやかな王妃、花のように美しい娘達を見ても
王子は何一つ感じることはないのでした
例の占い師は、黒いフードを目深にかぶった姿で、
その美しい姫君たちの間を供の者につれられて、
ゆっくりゆっくり歩いてきました
「王子よ」
王子の間に通されると、占い師は王子に声をかけました
「占い師よ。あなたは狩りに出るように言った
そして、言う通り私は狩りに出た
あなたは舞踏会を開くように言った。私はその通りにした
しかし、あの娘達を見ても、私は何一つ感じない
氷のような心は変わらない
占い師よ・・・今日、私はあなたを呼んだ。
すべてのことをしたが、私の呪いは解けていないではないか」
占い師はうつむいたまま、低い声で言った
それはことさら大事なことを告げているようでした
「王子よ、この大勢の娘達の中で、
本当のそなたを見る目を持つものを探しなさい
その娘がそなたに真の愛を教えてくれるじゃろう
これが最後の指示じゃて、
もし、今日・・・」
「もしも、今日、本当の私を見る目を持つ者とやらを
見つけられなかったら?」
王子は占い師の言葉を待たずに質問した
「もし、そうであれば、お前さんは真実の愛を見つけらず、
おそらく心の氷は一生溶けることがないじゃろう・・・」
王子は窓辺に行き、庭に次々集まってくる王女、娘達を見下ろした
「占い師よ、あの多くの娘達の中に真実を見る目を持つものがいるというのか?」
ほっほっほっほ・・・占い師は低く笑いました
「信じるのじゃ。そうれば、きっと見つかるじゃて」
占い師はそれだけ言うと、王子の間をあとにした
「真実を見る目・・・」
王子はそっとつぶやきました
今日はとうとう舞踏会の日となりました
王子は使いの者をあの占い師を呼びに出しました
王の触れにより、舞踏会には近隣の国の王女はもちろんのこと、国中の若い女性が招待されたのです
王宮の広間は美しく飾り立てられ、多くの料理が用意されました
舞踏会は日が沈んでから始まるというのに、まだ日が高いうちから多くの着飾った女性たちが王宮の庭に押し寄せ、互いの衣装を見せあっていました
そんな景色を見ていても、王子の心が震えることはありませんでした
宝石のようにきらびやかな王妃、花のように美しい娘達を見ても
王子は何一つ感じることはないのでした
例の占い師は、黒いフードを目深にかぶった姿で、
その美しい姫君たちの間を供の者につれられて、
ゆっくりゆっくり歩いてきました
「王子よ」
王子の間に通されると、占い師は王子に声をかけました
「占い師よ。あなたは狩りに出るように言った
そして、言う通り私は狩りに出た
あなたは舞踏会を開くように言った。私はその通りにした
しかし、あの娘達を見ても、私は何一つ感じない
氷のような心は変わらない
占い師よ・・・今日、私はあなたを呼んだ。
すべてのことをしたが、私の呪いは解けていないではないか」
占い師はうつむいたまま、低い声で言った
それはことさら大事なことを告げているようでした
「王子よ、この大勢の娘達の中で、
本当のそなたを見る目を持つものを探しなさい
その娘がそなたに真の愛を教えてくれるじゃろう
これが最後の指示じゃて、
もし、今日・・・」
「もしも、今日、本当の私を見る目を持つ者とやらを
見つけられなかったら?」
王子は占い師の言葉を待たずに質問した
「もし、そうであれば、お前さんは真実の愛を見つけらず、
おそらく心の氷は一生溶けることがないじゃろう・・・」
王子は窓辺に行き、庭に次々集まってくる王女、娘達を見下ろした
「占い師よ、あの多くの娘達の中に真実を見る目を持つものがいるというのか?」
ほっほっほっほ・・・占い師は低く笑いました
「信じるのじゃ。そうれば、きっと見つかるじゃて」
占い師はそれだけ言うと、王子の間をあとにした
「真実を見る目・・・」
王子はそっとつぶやきました
