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ふたりは似てる

第4章 猛暑

今朝の第2ラウンドね、全くもう。。。

父は優しいと思う
医院のナースも父に好感を持っている

でも、ママと私は合わない、美沙はそうと思う
何故、このふたり、夫婦なんだろう。。。

ああ、父の辰夫の言葉は、母の瑞穂イライラをさせていく。。。
美沙には煩わしかった

婿養子だからって。。。。

結局、なんでも母の思い通りになる、この家は。。。
そうでなければどうせ収まらない。。。うんざりだ、美沙はソファーに座って目を閉じた

祖父と父が開業した歯科医院を審美歯科に変えた時、
結果的には先見の明があった、といえなくもない結果だったが
私の進路だって。。。と美沙は思う

本当は医学部希望だったのに
医療関係ならあなたは歯科がいいんじゃないの
私に対して、自分の好きにしていい、自分で決めることをいいと言った事があったかしら

この人は。。。。過去を思い浮かべるが思い当たらない
本音は話題性でしょ。。。
ちょうど地元のマスコミに紹介された頃だもの

ー美貌の母娘が施す、美の奇跡ー

なにが美貌よ
見た目なんて人間のほんの一部分じゃないの
努力して得た者こそが価値があるのよ
私はいつだって努力してきたわ、バカバカしい。。。
マスコミ受けするのがそんなにいいのかしら、と

それにあの時
高校の時、あの娘がうちにきたのだって。。。

あの子があんなことになったのも母のせいだ

私があんなこと望んでなかった

全部ママのせいだから。。。




結局、この母を1番よく扱えるのは夫ではないかと美沙は思っている
昨日から出張中の雅也がいたら。。。。

いつもに増してイライラするのは
同じ頃に結婚したナースがふたり目の産休を取りたいと言ってきたのもある
ついこの前育休開けたばかりな気がするのに

これでまた育休だって
同じ女性にとって大事な制度だって分かっているけど、無性に腹が立つ



ーもう。。。行けばいいんでしょ、行くわよ、病院

きっと昼間に産婦人科の予約もしてあるんだろうなと、美沙は思いながら言った









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