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ふたりは似てる

第4章 猛暑

リビングに入ると義母、瑞穂と目があった

ーおかえりなさい、雅也さん
展示会はどうだったの

ー特に目新しいものはなかったですね
若い子向きの案件ちょっといけそうで、また来週にアポがありますよ

ーそう、いいわね
ところで、美沙と話したの

ーあー、なんだか調子悪いようで、先に寝るって横になってましたよ

ーふてくされているのよ。
まったくあの子は。。。努力が足りない子だから。。。

ー美沙はちゃんと、頑張ってますよ


瑞穂を満足させることなんて誰か出来るのか、と雅也は思いながら言った
向上心や野心、と言う言葉では片付けられない何かがこの人の心にはあるんだろう
深く関わりたくはない、が、妻の母親では避ける事は出来ない。。。


ーあなたたちは私のことうるさいと思ってるんでしょうけど
あなたたちのためですからね
いつまでも若くないのよ。。。

ーそうですね、分かってます。。

ーとりあえず、相談に行くっていってたから、ひと安心ね


行くんじゃない、行かせるんだろうと雅也は思っていたところ
義父の辰夫が上に上がれと指で合図を送ってきた
確かにこれ以上話すのは良くないな、と思い挨拶をしてリビングを出た
雅也は急に疲れを感じて風呂に入りたいと思った



寝室に入ると美沙は眠ったのか、ベットの中で
動く気配がない
余程腹を立てているんだろう。。。
雅也はよく似た母娘だ、衝突するとこっちが迷惑だと毎度思う

以前は祖父の健吾が出てくると収束したのだが、
最近は家の事には我関せずという雰囲気になって隠居部屋で食事も済まして滅多にでてこない
お手伝いさんは元気ですよ、以前と変わらないですよと言っているので
ボケてるわけでもないのだか。。。

子供の話は考えても仕方ない
とりあえず母娘に一旦任せよう、と雅也はベットに入った









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