テキストサイズ

リーニエント

第6章 ディフェンバキア


帰宅後、肩からリュックを下ろすと首を左右に動かしながら廊下を歩く。白草 瑠璃(しろくさ るり)。
濡れたような艶の有る黒髪は、見た目より軽やかな髪質だ。
切れ長のやや細い瞳は表情を作らなければ、冷たい印象を持たれがちで少し近寄りがたさがある。

「お帰り、瑠璃」

「ん、ただいま」

リビングへのドアを開けて立つのは瑠璃と双子の妹、翡翠(ひすい)だった。
目尻はやや切れ長の印象を与えるものの、瞳は大きく頬も柔らかそうな丸みがある。
兄と違い、全体的に親しみやすそうな雰囲気を作り出していた。

既に変化を遂げた容姿となったふたりは、仄かに似ている程度。
ふたりを知らない人からは双子だと思われる事はないだろう。

「ねえ、瑠璃。今日もお母さん、仕事だって」

「そう」

答えると、目線の端に映る翡翠を盗み見た。
薄いピンク色に引かれたリップ。白い肌と相まって、愛らしさが一段と際立つ。

「翡翠」

「あ、んん」

「……ふっ」

彼女の顎を掴み上を向かせると、自身と同じ形の唇を塞いだ。

「は……瑠璃」

「ん……」

リュックが手から滑り落ちる。軽くなった瑠璃の手は、翡翠の腰へ回されていた。

「翡翠」

「あぅ…んん」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ