リーニエント
第2章 チューベローズ
そうこうしながら撮影を続ける事、数分。
「そろそろ良いかな?」
そう、啓輔が呟いた。
「……って、っん!」
突然唇を塞がれると同時に響くシャッター音。
角度を変えながら深くなるキスに抗えず、ただ受け入れるしかなかった。
反射的に中腰になった香の身体は恐怖から力が入らず、その場へ尻餅をつきそうになる。
「おっと、危ねー。お前やりすぎ」
抱き留めるように支えた隼人。
「……はひっひっ」
息吐く暇も与えてくれなかったキスに酸欠寸前。
口を開けたせいで、口内で飲み込めずに蓄積されていた唾液がダラリと垂れ落ちる。
「ごめんごめん、興奮しちゃった……」
「あぅ……ふ」
紅潮した顔でちゅうっと香の口端を啜る啓輔。
「マジ、変態だよな……俺も同類ってか」
「やあっ…んむ」
啓輔から奪うように顎を掴み強制的に上を向かせると、濡れた唇を塞いだ。
「は…んんっ」
違う。
さっきとは違うキスの仕方だなと、片隅で思う香。
「んー、っは。何だ、好きかよキス」
「ふあっ…ちがっんん」
目尻を下げる隼人に反論の余地を与えられず、再び重なる唇。
舌同士が絡む感触は初めての香にはハードルが高過ぎた。
「ははっキスだけでこんなになっちゃうなんて、どうしよ隼人」
「俺に聞くなよ……まあ、壊してみたくなるっつうか」
「言っておくけど、僕の可愛い"はとこ"だよ」
「ああ?それがどうした。つか、フツー親戚に手だすかよ……外道が」
端々に出る物騒な単語。そんな男達の会話を耳にしながら、これから自分はどうなってしまうのだろうか。
香の思考は不安と、少しの好奇心に支配されていた。
end
20251212
「そろそろ良いかな?」
そう、啓輔が呟いた。
「……って、っん!」
突然唇を塞がれると同時に響くシャッター音。
角度を変えながら深くなるキスに抗えず、ただ受け入れるしかなかった。
反射的に中腰になった香の身体は恐怖から力が入らず、その場へ尻餅をつきそうになる。
「おっと、危ねー。お前やりすぎ」
抱き留めるように支えた隼人。
「……はひっひっ」
息吐く暇も与えてくれなかったキスに酸欠寸前。
口を開けたせいで、口内で飲み込めずに蓄積されていた唾液がダラリと垂れ落ちる。
「ごめんごめん、興奮しちゃった……」
「あぅ……ふ」
紅潮した顔でちゅうっと香の口端を啜る啓輔。
「マジ、変態だよな……俺も同類ってか」
「やあっ…んむ」
啓輔から奪うように顎を掴み強制的に上を向かせると、濡れた唇を塞いだ。
「は…んんっ」
違う。
さっきとは違うキスの仕方だなと、片隅で思う香。
「んー、っは。何だ、好きかよキス」
「ふあっ…ちがっんん」
目尻を下げる隼人に反論の余地を与えられず、再び重なる唇。
舌同士が絡む感触は初めての香にはハードルが高過ぎた。
「ははっキスだけでこんなになっちゃうなんて、どうしよ隼人」
「俺に聞くなよ……まあ、壊してみたくなるっつうか」
「言っておくけど、僕の可愛い"はとこ"だよ」
「ああ?それがどうした。つか、フツー親戚に手だすかよ……外道が」
端々に出る物騒な単語。そんな男達の会話を耳にしながら、これから自分はどうなってしまうのだろうか。
香の思考は不安と、少しの好奇心に支配されていた。
end
20251212
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