創造の双子。
第19章 思い
扉を開けるとピンクで統一された家具が顔をみせる。
と同時に、甘い香りが立ちこめてきた。
「沢山焼いたんだから…食べてね?」
「俺の為に作ったんじゃないだろ…(笑)」
「違うよ? 慧のために焼いたの。 もうすぐ電話して誘うつもりが、逆に誘われちゃったって感じ?」
「…まじか…」
「私は慧に会いたかっただけだけどね…」
「なっ…」
ダブルデートの時、詩穂に言われた言葉を思い出す。
「しっ…しししし詩穂…っ」
「なーんてね? 韓ドラでやってた!」
「えっ…まじ? 俺もさっきまで見てた! あれさー…」