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創造の双子。

第4章 海斗(かいと)


西華は今日学校を休んだ。

昨日はいろいろありすぎて、おかしくなってしまいそうだったから。

お父さんとお母さんは共働きで慧は学校だ。

つまり部屋には誰もいなかった。

とりあえず全部の部屋を点けて、テレビもつける。

慧が居なくなってからの留守番はいつもこうだった。

誰かの声を聞いていないと狂ってしまう。 絶対。

(とりあえず塾の宿題でもしようか。)

西華は昼に起きてきたので、やっぱり平日の昼っていったらサスペンスとか通販番組くらいしかやってない。

ふと昨日を思い出す。

汚れてる…汚れてる…私は汚れてる…。

あの、いやらしい手つき。
気持ちの悪い吐息。 すべてを否定したい。

「…っう…」

また泣きそうだ。

こんな私だって否定したい!
くよくよくよくよして!

「ぁあぁあぁあぁっ!!」

テレビのリモコンを壁に投げつける。

途端にリモコンは表面が割れてしまう。

「あっ…」

(私…なにしてるんだろう…)
ベッドに寝ころぶ。

何にも考えたくないー…

涙が溢れる。 とめどなく溢れる涙に西華の視界は歪む。

「とすとすとすとす…」

(えっ…? )

階段を登る音。
もちろん家には誰もいないはずだ。

(誰…っ… )

急に恐怖が西華を襲う。

バンッ!!

部屋の扉が開く。

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