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創造の双子。

第8章 切なる気持ち



でも、海斗くんがいるから…西華ちゃんには告白なんて出来ない…。


自分はただ、幸せそうな西華をみているだけで幸せだったから…。


気持ちが落ち着いてから、教室に戻るとスースーと寝息をたてながら寝ている西華がいた。


「三浦さん…?」

そっと近づく。


まだ、西華と羽華の誰もきていない。


羽華はまじまじと西華の寝顔をみた。


整えられた前髪。
クリンと、カールしたまつげ。
少し桃色に染まっている頬。
ふっくりした唇ー…


そのまま羽華の顔も近づく。



ー…ふにっ…


唇と唇が重ね合わさせる。


ふわっと、桃の匂いがした。

リップクリームでもつけているのだろうか。



「ん…」

はっ…!! 西華が寝言を言ったとき、羽華は びっくりして唇を慌てて離した。


どきん…どきん…

胸の高鳴りと同時に、吹奏楽部のラヴァーズコンチェルトが聞こえてくる。


まだ、羽華の唇にはあの感触が残っていた。



羽華はもう一度顔を近づけて、今度は耳を舌で舐めてみる。
唾液をつけるように…


「んぅっ…!」


西華の寝言に、またびくっとなって離れる。


「ん…あ…羽華ぁ…!?」


「おはよう♪」


なにもなかったように会話する。


西華は片耳が塗れているのに、気づいていないようだ…。

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