
創造の双子。
第13章 in the night
「じゃ…今、無理やりでも触ろうか…?」
急に真面目な声に変わる。
「っつ…! 何…本気にしてんの? そんなのー…」
海斗の手が、前から伸びてきて西華の肩を軽くつつく。
「くすっ… 触ったし♪ てか、何期待してたの?」
「も~嫌い! 海斗なんか嫌いじゃ~っ!」
やけになると、海斗の背中をお湯で雑に洗い流した。
そして、背中を海斗の方に向ける。
(私の背中も洗ってよね…)
「肌…綺麗だな」
スポンジで、まるで壊れ物を触るように 優しく洗ってくれる。
「そ? ありがと…」
海斗は常に アメとムチを兼ね備えていた。
アメを差し出された瞬間、西華はもう怒る気など失せてしまうのだ。
