創造の双子。
第15章 創造の西華。
「海斗… 私が…西華が倒れた時の事覚えてる?」
「春休みんときか… 」
海斗は西華から離れて、向かいあって座った。
「だ…騙すつもりはなかったの! 早く言わなきゃって! ずっと思ってたの!でも…なかなか言えなくて…」
「…? 何が? 何の話?」
「私は“西華”じゃないの!」
「…は? 」
キョトンとしている海斗に西華でない物が、話を続ける。
「西華はあの時死んだの! 最後に、私のクローンを造って海斗を悲しませないでって!」
「西華が…死んだ…?」
「…だから、私はあなたが愛してた西華じゃないの! 」
「…おまえは、西華のロボット…」
「ごめんなさい!ごめんなさい! 本当にごめんなさい!」
西華はへなへなと倒れ込んで、大粒の涙を流し続ける。
「ごめん… ちょっと… ほっといて」
海斗はこう言って、部屋に帰って行ってしまった。