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アシスタントで来ただけなのに…!

第1章 鬼才漫画家、市川ルイ




そんな市川ルイは、不思議な存在だった。


人気になり、今や新刊などは本屋を入ってすぐの棚に紹介されるくらいなのに、取材やメディアには一切出ない。



ただ静かに、どこかで作品を作って出版している。


謎の人物だった。



だけど週刊誌で唯一撮られた写真があった。


それもかなりの反響を呼んだ。


その写真は横顔しか写ってなかったが、長い前髪に整った美しい顔立ちをした人物だった。


性別は名前からしておそらく女性だろうと言われたが、あまりの美しさに、これは偽物だと言った声も上がった。


それらはおそらくギャップがあったからだ。


こんなに美しい女性が、繊細な絵柄でホラーを描くのがあまりにも珍しいのだろう。


それに、たまに斬新なストーリーを挟んだり、過激な描写もあった。


あまりにも美しい女性が描く作品としては、似合わないと言ったらあれだが、想像がつかなかった。


私もその週刊誌については、疑いの目で見ていた。


だって、あんなにも公の場に姿を表さない市川ルイが写真を撮られるなんて…。


そんなことは無いだろうと思ったのだ。



だけど、今の私は、


そんな彼女に会えるのだ。


そう、この目で市川ルイという存在を見ることができるんだ。



「早く…会いたい…市川先生…!」



これはもはや恋焦がれる少女の感情でしかない。


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