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春のほどけ…戻れない距離

第3章 「皐月」—満ちていくもの


 皐月(さつき)は…
 五月、季節感としては初夏の入口。

 ほどけきったものが、もはや戻らず定着していく時間…


「春の揺らぎは終わりつつある
しかし夏の確信にはまだ至らない…」

『揺れが現実へと変わる』
 皐月は、崩れた関係や感情が、日常として続いてしまう…

 弥生―ほどける…まだ戻れる可能性

 卯月―揺れる…否定と葛藤

 皐月―受容…継続…静かな確信

『禁忌』は…出来事ではなく状態になる。

 繰り返されるたび…
『罪悪感』が、軽くなる。

 それが、自分で選んでいるのか…

 流されているだけなのか…

 もう分からない。

 ただ一つ確かな事は……

 もう、何もなかった頃には戻れないということ―――

 すまし顔のまま、どこかが、ほどけていく…

 静かに、しかし確実に。

 満ちてしまったものは…

 もう、消えない―――



 皐月来て
 隠していたる
 熱だけが
 すまし顔ごと
 崩してしまう



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