春のほどけ…戻れない距離
第3章 「皐月」—満ちていくもの
4
「弥生さん、最近、変わったね…」
「えっ」
ドキッとした…
それは、めいにも、云われたから―――
「ふぅぅ……うん、変わったよ…」
紫煙が、ゆっくりと漂い、流れ…
「か、変わったって?」
「え、あ、うん……色々……かな………」
そう呟き…
いや、彼も、緩く、変わった…
もう冷たくなく、逸れてこない―――
「もう……ひと月に、なるしね………」
「…………」
本当は、分かっていた。
逢うたびに…
『罪悪感』が薄れていくのを感じ…
逆に…
ヒリヒリとした昂ぶりが増してきて……
疼きには抗えず…
二人の間を泳ぎ…
逆に、求める自分を、自覚し始めていた。
そして…
めいの、わたしを見つめる、逸れない目に、悦びを感じ…
もう、戻れない―――
「ね、もっと強く…」
「え…」
「もっと強く………噛んでよ…………」
「あ、え…で、でも……」
「別に…いいじゃない……
ほら、もっと、はっきり、紅くさぁ………」
「………………」
「それに、もっと、紫煙を吹きかけてよ……」
「え………」
「あなたの匂いが、もっと、臭くなるようにね……」
「……………」
「うん…ほら…
めいに、はっきり、分かるようにさぁ……」
「……………」
タバコを摘まむ指が、震える…
「いいじゃない…
本当は、そうしたいんでしょう……」
「……………」
彼の目は、逸れ、揺らぐ…
「さぁ、強く噛んで、もっと、紅くして…」
「…………」
「もっと…臭くしてよ……」
「…………」
「三人、仲良くさぁ………」
もう戻れない―――
「ほら、もう……夏だから…………」
わたしも、もっと…
もっと…
満ちていきたい―――
皐月来て
抑えきれない
熱だけが
すまし顔さえ
崩れはじめる
終り
「弥生さん、最近、変わったね…」
「えっ」
ドキッとした…
それは、めいにも、云われたから―――
「ふぅぅ……うん、変わったよ…」
紫煙が、ゆっくりと漂い、流れ…
「か、変わったって?」
「え、あ、うん……色々……かな………」
そう呟き…
いや、彼も、緩く、変わった…
もう冷たくなく、逸れてこない―――
「もう……ひと月に、なるしね………」
「…………」
本当は、分かっていた。
逢うたびに…
『罪悪感』が薄れていくのを感じ…
逆に…
ヒリヒリとした昂ぶりが増してきて……
疼きには抗えず…
二人の間を泳ぎ…
逆に、求める自分を、自覚し始めていた。
そして…
めいの、わたしを見つめる、逸れない目に、悦びを感じ…
もう、戻れない―――
「ね、もっと強く…」
「え…」
「もっと強く………噛んでよ…………」
「あ、え…で、でも……」
「別に…いいじゃない……
ほら、もっと、はっきり、紅くさぁ………」
「………………」
「それに、もっと、紫煙を吹きかけてよ……」
「え………」
「あなたの匂いが、もっと、臭くなるようにね……」
「……………」
「うん…ほら…
めいに、はっきり、分かるようにさぁ……」
「……………」
タバコを摘まむ指が、震える…
「いいじゃない…
本当は、そうしたいんでしょう……」
「……………」
彼の目は、逸れ、揺らぐ…
「さぁ、強く噛んで、もっと、紅くして…」
「…………」
「もっと…臭くしてよ……」
「…………」
「三人、仲良くさぁ………」
もう戻れない―――
「ほら、もう……夏だから…………」
わたしも、もっと…
もっと…
満ちていきたい―――
皐月来て
抑えきれない
熱だけが
すまし顔さえ
崩れはじめる
終り
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