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SAKURA (さくら)

第2章 ソメイヨシノ


 あの人の、残り香が、変わった―――

 シャネルから…
 
「これは…
『ディオールサクラ』ですね」
 ふと、見つけた、フレグランス。

 それは…

 しだれ桜が、散りはじめ…

 ソメイヨシノが、花咲き始めた、四月辺りから…

『いよいよ、本部長に昇進が決まったよ…』

 朝食のコーヒーを飲みながら…

 あの人は、そう、機嫌よく言ってきた。

『そうしたら、弥生も、部長に推すから…』

 その話を、どこか遠くで聞いていた…

 ただ―――


 花の下
 咲きては散ると
 知りながら
 なお見てしまう
 ひかりの奥を

 咲き満ちて
 名を得た刹那
 風が立つ
 人のものなる
 花は散りゆく



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