SAKURA (さくら)

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[作品説明]


 ◆しだれ桜

 『しだれ桜の美しさ』
 時間・重力・感情のゆるやかな崩れ。
 枝が下方へ垂れ、花は咲きながら、落ちていく。

『ほどける時間』
 咲いた瞬間からほどけ始める。
 戻れないが、完全には壊れていない。

『触れれば崩れてしまう』
 手が届きそうで届かない、触れた瞬間に壊れてしまう、だから、見るしかない。

『 静かな艶(揺れの色気)』
 その艶は、動的な色気ではなく揺れ、すでに誰かのもの。

『花は落ちるが、音はない』
 それは、誰にも気づかれずに、内だけが動いている。

 花しだれ
 ほどけて揺れる
 下にして
 見返すひとに
 艶のこぼるる


 ◆ソメイヨシノ
 
『一斉に咲き、一斉に散る』
 開花がほぼ同時、そして景色が一変する。
 満開が頂点、だが、 長くは続かない。
 明るく、しかし短命(すぐ散る)


『最も美しい瞬間が、最も短い』
 起きてしまう瞬間、そのもの。
 隠し、抑えていたものが一瞬、解放される。
 一時的な、淡い艶。

『花吹雪』
 曖昧な白色が、風に舞い、空を覆い、消えていく。

 咲き満ちて
 ひとときだけの
 名を持ちぬ
 触れし指先
 すぐに散りゆく


  ◆八重桜

『やえざくら(ぼたんさくら)』
 花弁が幾重にも重なる、層の桜。
 ソメイヨシノの一瞬の頂点の後に、終わらなかったものが残る。

『名残りのさくら』
 重なり続き、一枚ではなく層として咲く。
 散り急がず、積み重なり、終わったはずの春が、まだ、穏やかに続いている。

『一度きりでは終わらなかった関係』
 ほどけきれず、重なり続けたものが、そのまま残る記憶。
 なかったことにはできない想い。
 確実にそこにある、ぬくもりと艶。

 八重桜
 重ねて消えぬ
 艶ありて
 触れし記憶の
 底に沈めり



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