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あの夜の何処かで

第3章 どっち

 うご……けない……。

 修学旅行に泊まっていた旅館で眠れなかった僕は、廊下で偶然彼女と出会い、ここなら寝られるかもしれないと大きな部屋に入った訳だが……。

 今、とてもピンチだ。

 少しずつ、彼女の方からこちらに近づいているのは分かった。僕は、それでも知らないふりをしていたのだが……ついに互いの体がくっつくくらいの距離まで縮まってしまった!

 こういう時は何食わぬ顔で、元の位置に戻しておくのが最適……だが今少しでも動いたら、せっかく眠れた彼女が起きてしまうかもしれない。


「修一君、ドキドキする?」

「う、うん……って、あれ? 寝ていたはずじゃ……」

「目を瞑ってただけ」

「えぇ……」
 やられた……。


「ところで、修一君は、好きな人いるの?」

「……え?」

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